40代底辺女の貧困生活

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間借りしているオッサンのブログ 前に進めないオッサンの グダグダ放浪記

【読者を選ぶ作家】小説の魔術師、久生十蘭

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今回の台風、我が家は全く何もなく過ぎ去りました。
風も雨も、前回の方が断然怖かったです。




今日から忙しくなるので、今日中に更新を終わらせておきます。
って、まぁ、こういうのって、誰に言うでもないんですけど、言うてしまいます。
お前のことなど知らぬ、好きにしろって話なんですけども。




さて(;・∀・)
小説の魔術師って、なんかカッコイイですよね。
お好きな方は非常に好きな久生十蘭ですが、私も好きです。
読者を選ぶと言われたりしますが、私でも読めているような・・・?(;・∀・)
私が十蘭を理解しているかどうかは突っ込まないで頂けると助かりますが。



自分の妻を「従卒」と呼んでいたらしいです(;・∀・)


久生十蘭は、小説の魔術師と言われている、昭和初期の探偵小説家。
探偵小説家として括って良いのか悩むほど、色々なジャンルの本をお書きになられていました。



たしか澁澤龍彦のエッセイか何かに十蘭のことが書いてあり、澁澤が若かりし頃十蘭宅へ引っ越しの手伝いに行った折、十蘭は、奥様のことを「従卒」と呼んでいたとか。



今の時代では到底考えられないことですが、十蘭の奥様は、夫をよく支えたようで、十蘭の死後、奥様が書かれた短い文章も読みましたが、夫の才能を愛していたのだろうという文章でした。大変だったと思うけど。個人的には旦那から「従卒」なんて呼ばれたら、どうするだろう。旦那が十蘭ってのがそもそも想像できないな(;・∀・)



久生十蘭は、色んなジャンルの本を書いてるよ


ググってみると、推理小説、ユーモア小説、歴史・時代小説、現代小説、ノンフィクション・・・と書かれていました。
私、読んでないのもあるなぁ( ´_ゝ`)



橘外男の本の解説に、少し十蘭のことが書かれてあり、なるほどなぁと思ったのが、十蘭のユーモア小説はちょっと凝り過ぎているとのこと。
橘外男のユーモア小説との比較で書かれていましたが、確かに言われてみりゃその通りで。十蘭の「玉取物語」あたり、もう少し分かりやすくても良いかと思います。



笑いって、一瞬で分からないと面白さが半減することがあって、噛み砕いて理解してからでは、少し遅いですよね。
分かりやすさが必要だと思うのですが、ですがそこが十蘭の魅力でもあります。



どっちがどうって話でもないのですが、橘外男と比較してしまうと、どの作家も凝り過ぎている気はします。
すかした所がないのが橘外男、すかした所も魅力な久生十蘭。
ただ、久生十蘭の方が世間の評価は上・・・なんだろうな。
私の好みは置いておいて、まぁ分かる(;・∀・)



両者ともなんでも書いてたという意味で解説されていて、ジャンルにこだわりが無かったという意味では似ています。



ちょっと脱線?トゥエンティーフォーと比較


十蘭は短編の名手ですが、長編は探偵小説「魔都」「十字街」だけ読みました。


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どちらも練られた設定で、「魔都」は1日で起きた事件を、あらゆる登場人物の視点から、角度を変えて書かれた小説。
トゥエンティーフォーという海外ドラマの展開とよく似ています。



私、なにせ24のジャック・バウアーが大好きなんですよね。
キーファー・サザーランドが好きっていうより、ジャックが好きなんです。
ジャック1人で頑張って、スゲーじゃん(;・∀・)



シーズン6だったっけかな?ジャックが最後、涙ぐむシーンに本気で悲しくなった私です。
そりゃあんだけ、1人で悪と戦って、浮かばれない人生送ってりゃ泣きたくもなるよ。
娘も、うさんくさそうな彼氏見つけてくるしさ。



ちょっと脱線して・・・
私、ディックの「流れよ我が涙、と警官は言った」も好きなのですが、この主人公も、ちょっとジャック・バウアーに似てる気がしています。
なにせ、ジャックが好きです。
ジャックのものまね芸人、どきどきキャンプも好きでした。最近見かけないような・・・?


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「魔都」の感想に話を戻しまして(;・∀・)
「これよく書けたな。スゲー」というのが感想で、個人的には読んでよかったのですが、面白いってのとはまた違いまして、設定はめちゃくちゃ凄いのに、面白いかと言われるとちょっと返答に困ります。
探偵役の、へんくつ刑事にあまり特徴がないのが逆に特徴的で、随分前に読んだのに珍しく覚えています。
探偵役はたしか「まなこあきら」って名前です。ググらず書いていますよ(;・∀・)



エピローグが無いので、スパッと物語が終わります。
えっ、解決したけどその後、探偵役どうなったん?となり、後の余韻が無いのですが、それすら魅力に感じてしまいます。
作家に振り回されるというか何というか。



十蘭のおススメ作品


久生十蘭は、「鈴木主水」で直木賞を受賞されていますが、「ハムレット」「湖畔」「昆虫図」「黒い手帳」などなど、短編が素晴らしく、どれも本当に面白いです。
ともすれば、読者を置いて行ってるんじゃないかと思うこともあるのですが、
理解できない自分が悪いと思わせてしまうのが、十蘭のスゴイ所なのかと勝手に思っています。



「顎十郎捕物帳」という捕物帳も書かれていますが、捕物帳が苦手な私でも面白いと思いました。
こちらは「魔都」と違い、探偵役の顎十郎がとても魅力的に描かれています。
顎十郎役に若林豪でテレビドラマ化されており、私はまだ生まれていませんでした。
ウチの母親に聞いてみたことがありますが、「そんなドラマ見たことがない」と言っていて、残念極まりない。



「顎十郎捕物帳」の短編の1つに、金座(昔の銀行)について書かれたものがあります。
金座の説明の文章量が非常に多く、短い短編の中で、これだけ金座の説明をしてしまうと、謎解き部分の文章量足りないんじゃないかと途中心配になりました。
ちょっと他の作家では考えられない構成でした。



ペダンティック(衒学的)であるとも言われる久生十蘭ですが、小栗虫太郎のそれとはまた全然違います。どう言えば良いか分かんないけど(;・∀・)



ちょっと作品がかぶるのですが、下の2冊が色んなの読める短編集です。

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ちょっと番外。十蘭は翻訳もやっています


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書いてるのはレオン・サジイというフランスの作家ですが、十蘭が書いてるみたい(;・∀・)
翻訳家としてどうなんだろう・・・と思ったけど、私は十蘭好きなので嬉しかったです。
日本でも大ブームになったそうです。怪盗ジゴマ。
私は十蘭の訳が読みたかっただけなので、感想はひかえます。
これ1冊しか読んでいません(;・∀・)




(´-`).。oO(推理小説以外もめちゃくちゃ面白い作家です。ハマると中毒性があります)