昔、たった一人の友人と九州旅行に行った時に、
門司港行ったついでに、下関まで足を延ばしまして、
んで、下関で紅茶専門店に入ったのです。
下関は、私が大好きな作家、赤江瀑の出身地です。
あと、私が住んでる辺りでは、フグの代名詞。
でも、私が下関で行ったのは、紅茶専門店オンリー。
ノーふぐでした。せめてふぐ食べりゃ良かったな。せっかく行ったのに。
たしか雑誌るるぶを見て行ったと思うのですが、
こじんまりとしたお店だったかな。
私は、珈琲派なので、紅茶専門店だろうがなんだろうが、
どこ行っても珈琲しか注文しませんが、
友人は、○○専門店では、○○を注文するタイプです。
その店のスペシャリテを注文するタイプです。
その時私はたぶん珈琲を注文したと思うのですが、
友人はもちろん紅茶を注文。
紅茶が出てくるのを待っていると、
初老の上品そうなスーツ着た男性が、ポットとカップを持ってきました。
ポット置いて向こうに行くのかと思いきや、
どうやら男性が入れてくれるようで、
ポットを自分の頭の位置より高くかかげて、紅茶を入れてくれました。
ポットを上げて、下げて、上げて、下げて・・・
カップは、下の方で持ったまんま。
男性は、右手の激しい上下運動の繰り返しで紅茶を入れてくれました。
私、思わず、友人の顔を見ましてですね、
そんな入れ方、初めて見たもんですから、オッサンに釘付けになってしまったんです。
これがまさか、正式な紅茶の入れ方なんだろうか・・・
イギリス?イギリスでは、こうやって入れるの??
オッサン、上手いことカップの中に紅茶を注いでるけど、こぼれたりしないの?
その上下運動に何の意味があるの?
冷ましてくれてるの?
私、オッサンの紅茶の入れ方に、夢中になってしまいました。
んで、友人を見ますと、
私がまた何かとんでもないことを言い出すとでも思ったのか、
友人、神妙な顔でうなずいて、何も言うなって首を横にふるのです。
友人は私に対して、たまにこの動作をします。
私、たまに、疑問が口をついて出てしまうことがあるので、
友人、危険を察知するようになっていまして、
上品なオッサンの前で、私が無知をさらけ出したら恥ずかしいとでも思ったんでしょうね。
無言で首を横にふったんです。
私、あの時、何も言わんかったけど、
たぶん、言うとしたら、オッサンに、
「それは、正式な紅茶の入れ方ですか?」 ググれ・・・
「そうやって入れたら美味しいんですか?」 ググれ・・・
「私、旅行で大阪からはるばる来ました。」 最もいらぬ情報・・・
って、言ったと思うのです。
今度この店に行ったら、絶対言いたいのです。
私の友人、なんかしらんけど、旅行行った時、
大阪感を隠そうとするんですけど、無理無理。
隠せるわけがないのです。
にじみ出てるから。ナニワ感が。
アイツ、大阪ちょっと恥ずいと思ってるんですよ。
他府県行くと、大阪感薄めるんですよ。
ふてぇアマですよ。全く。
まぁ分からんでもないけど。
私、スーツの上品なオッサンと、友人を見ながら、その対比がおかしくて、
笑いをこらえるのに必死でした。
友人、さも、「これが正式な紅茶の入れ方ですけど、何か?」
ってな顔してたんですけど、そんなこと、友人が知るわけがないのです。
だって、紅茶専門店なんて、普段私たち行かないし、
紅茶の知識など、リプトンぐらいしかねぇんですもの。
「日東紅茶より、リプトンの方が美味しい。私、少々高くてもリプトン買う。」
なんて話しかしたことないんですもの。
店出たあと、2人で、
「あれが、正式な紅茶の入れ方なんやろか?」
「いや、分からんけど、そうなんやろ。」
「私、味のことはよく分からんけど、あのオッサン見れただけで、ここ来て良かった」
などと、話した記憶があります。
んで、味とか、詳細情報は覚えてないけど、
もう一回行きたいな・・・と、2人でたまに言い合うんです。
また、あのオッサンの紅茶の入れ方見たいな・・・と思ってるんですけど、
ググっても、それらしきお店が見つからないのです。
私たちの記憶違いなんかな・・・
私たちの記憶の中では、初老の上品なスーツ着た男性ってなってるけど、
微妙に記憶違いだったりするのかな?
なんか店内が、青色っぽくて小さい店だった気がするんですよね・・・
もしかして、紅茶専門店じゃなくて、珈琲専門店だったのかな・・・?
いまだにあの入れ方が、正式なのかどうなのか分からないんですけど、
これまで行った喫茶店の中で、一番興味深いお店でした。
あのオッサン、熟練の技だと思う。
普通はあんな入れ方したら、こぼれて床ビチョビチョになるよ。
一滴もこぼさず、頭の上の方から、カップに向けて紅茶を注いだんですよ。
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ハハー _○/|_ 土下座